コズミックカレッジ in 野々市 開催されました

2月25日(土)情報交流館カメリア ホール椿にて
JAXA宇宙航空研究開発機構・野々市市情報交流館カメリア 共同事業
「コズミックカレッジ in 野々市」開催されました。
 
宇宙の不思議、科学の楽しさ、創作のおもしろさに触れる「コズミックカレッジ」、
野々市での開催は今回で8回目となります。
 
小1~2年生とその保護者対象のキッズコースは
「星砂で宇宙と地球を探ろう!&星砂で星座絵づくり」
 
講師は自由が丘サイエンスキッズ代表の馬渕 正展先生です。
 

「星について知る方法のひとつに「土」を調べる、ということがあります。
 今日は「星の砂」を調べて「地球を」をしらべてみましょう!」
配られた砂粒を一粒ずつよりわけて、「星の形」「太陽の形」など、いろいろな形、変わった形のものを探します。
また砂粒を黒紙に貼りつけて「星座絵」づくりにも挑戦。
 
会場の後ろでは同時進行で「ローバーでサンプリングに挑戦」してもらいました。
月や火星などの地表を移動し調査するローバー(探査車)の模型を、左右のキャタピラーを同時に二人が動かす(ハンドル式の発電機を回す)ことで、おともだちと息を合わせて共同作業を行う難しさも体験。

 後半はJAXA宇宙教育リーダー 川瀬 源先生の 「星の砂」について解説。
 
「これ、じつは生き物(有孔虫)だったんです」
そこで、「星の砂」と「普通の砂」に薬品(希塩酸)を掛け、変化の違いを確かめました。
 
「星の砂」からは小さな泡が出ることが判りました。
「生物の死骸、貝殻には二酸化炭素が含まれています」
「地球が出来たころは、今より二酸化炭素がたくさんありました、それが長い歴史の中で海に溶けたり、有孔虫などの体の一部となり、今の私たちが生活しやすい(二酸化炭素が減った)地球環境ができてきたのです」
「こんな小さな小さな生き物でも、全ての生命が現在に繋がっている、そんなことを考えてみてください」
というお話で締めくくられました。



小3~中3対象のファンダメンタルコースは
「宇宙箱舟ワークショップ」
~宇宙に引っ越しするなら、どんな生きものをつれていく?~

講師はJAXA宇宙教育リーダー 平田 幸憲先生。

先日もNASAが発表した通り、「地球と同じような星」が見つかっています。
模型の「箱舟」にあらかじめ用意された動物や植物、それに菌類など、様々な「コマ」から12種類を選んでください、但し「肉を食べる動物」「草を食べる動物」「虫」「植物」「菌類」からは最低一種類は選ぶこと。
選んだら、それを各班ごとに発表していきます。
ある班が数十のコマから選んだのは「広葉樹」「針葉樹」「イースト菌」「大豆」「蚕」「稲」「マグロ」「牛」「犬」「熊」「隼」「野菜」でした。
 
次のテーマ、「宇宙の旅は厳しい、道中何が起こるかわかりません」
配られた「アクシデントカード」を2枚引き、
「鳥インフルエンザが大流行し鳥が全滅」など、影響を受けたコマは箱舟から取り除かれました。

苦労を乗り越え、ようやく新惑星に到着。
さて、船に積んだ「コマ」を使って、晩御飯のメニューを考えましょう。
「ステーキと、野菜炒め、米粉パン、牛乳」など、みな限られた材料で新天地でのディナーを想像しました。
 

最後のテーマ
新しい惑星で暮らしていくとき、食べ物以外に必要なものを考えてみましょう。
「ソーラーパネル、自転車、救急セット、キャンピングカー など」
「ビーカー、衣類、発電機、テーブル、テレビ、こたつ、ソファー、じゅうたん など」
いろいろな意見が出ました。
 
まとめとして平田先生から
「(お金など)今は大事でも新惑星では必要ないもの、持っていかなければならないもの、もっていかなくても作れるもの、本当に大事なものは何か、そんなことを考えてみてください。」


特別講演「宇宙で生きるということ」
お話は 京都大学大学院 総合生存学館 准教授 礒部洋明先生です。
先生の専門は太陽物理学、宇宙プラズマ物理学。
「古事記と宇宙」「宇宙落語会」「お寺と宇宙学」など「なんでも宇宙とくっつける」研究者でもあります。
 

「小さいお子さんから大人までいますが、今日のお話は、僕が京都大学で大学生にしてる話と同じ話です。それを小学生のみんなにもわかるように、お話してみたいと思います。ただし、テーマとなる問題はすごく難しいです。どれくらい難しいかというと、先生である僕でも答えを知らないくらい難しいです。みなさん、がんばって聞いてください。」

「自分たちとは何者なのか」これが「勉強」の究極的なテーマ、根本の問いです。

現在わかっている「なぜ人間は今ここにいるのか」のお話から
138億年前、ビッグバンで宇宙が生まれました、しかしただガス(水素、ヘリウム)しかありませんでした。
「万有引力」によってガスの濃い部分はどんどん濃くなり、星や銀河が出来ました。
星は「核融合」によって燃え輝きます、その際、さまざまな物質が生まれ、星が死ぬとき、大爆発を起こし、それが宇宙に散らばります。
そうして宇宙が出来て92億年後、結構いろんな物質ができてきたころに私たちの太陽系ができました。

34億5千年前の地層から単純な生命の化石が発見されていますが、地球上に生命の材料があったとしても、そこからどうやって「生命」が生まれたのかはまだ判っていません。
そして更に長い年月を掛け、多細胞生物、そして人間が誕生しました。

一昨日(2月23日)地球から39光年という「近所」に人が住めるかもしれない星が見つかりました。

「皆さん、地球を出て宇宙に住んでみたいですか」ほとんどいません。
「住むのは嫌だけど行ってみたいですか」大半の人の手が上がりました。

宇宙で人が住むには二つの方法が考えられます。
ひとつは人に合わせて周りの環境をかえること、
もう一つは人そのものが科学技術で環境に適応できるよう、変わってしまうこと。

今現在、人類を火星に移住させようとする驚きの計画がすすんでいるそうです。
普通ならアポロ計画のように地球に戻る技術があって初めて火星行き計画が成り立つのですが、その計画では「片道」、つまり死ぬまで火星にとどまるというもの。世界中から約20万人の応募があるそうです!
「火星に行こうとしている人たちは、法律、倫理など、私たちが普段あたりまえだと思っている「社会のルール」からも抜けだそうとしているんです。」
その他にも、火星にまちをつくろうとしう計画がいくつかあります。

 そして、お話はいよいよクライマックスへ。

「地球の環境はつねに生命によって変わってきました。過去の最大の『環境破壊』は植物が行った光合成です。昔は地球に酸素はほとんど無く、それまで生きていた生物にとって酸素は「猛毒」でした。現在、その酸素に適応した生物が生き残っているわけです」

「これまで、地球上のいろんな環境に棲むために、生命はさまざまな進化を遂げてきました。もともと海の底で生命は生まれ、なんとかがんばって陸に出てきて更に空を飛んで・・。今まで棲めなかったところにも、自分の身体を変えて環境に適応して新しい所に棲めるようになることは、生命の歴史の中でずっと起きたことです。」

「だとすると、今は人間が棲めないところにも棲み始めるということは、長い目でみると今まで生命が地球上でやってきたことを少し推し進める、自然な発展と言えるかもしれません。」

「しかし、今の人間がこれまでの生命と違うのは、自然な進化を待つ前に、遺伝子工学や生命工学など科学技術を持って、意図通りに短期間で進化させることができます。」

「人間は現在、人間すらも変えられる技術をもっています。これを使って宇宙に出て行って、自分たちを変えるという事をするべきですか?」

「この答えはありません。とって難しい問題です。だから大学生も、大学の先生も、この問題を考えています、皆さんも考えてみてください」

講演の最後に礒部先生からのメッセージ。
「宇宙で生きるということは
 人間が人間でないものに『進化』することなのかもしれない。
 こわいですか?わくわくしますか?」
 

そして質問の時間。
小学生からの
「何故太陽から火みたいのがでてるんですか」
答えは「いい質問!磁力です、太陽の中の溶けた磁石の力で、太陽のガスが噴き出しているのです」
 
「さっき、火星の夕日は青いと先生は言っていましたが、他にもいろんな色の夕焼けもあるんですか」
「あ~あ(しばし黙考) これもいい質問。たぶん、人間の視覚で見る限り、赤、青くらいであまりバリエーションは無いと思う」
「しかし、もし例えば君が虫で、紫外線とか、赤外線とか、人間の目には見えない光として夕焼けを見た場合、そういう視覚で見たとき、違った色でみえる夕日はあるかもしれません。」
などなどの質疑応答がありました。

子どもにも、そして大人にとっても、正解のない難しいお話でしたが、小さな子たちもみな最後まで真剣な眼差しで聞き入っていたのが印象的でした。

参加者の声(一部抜粋)
キッズコース 感想(こどもたちの声)
☆せいざをつくるのはたのしかったです。
☆むずかしかった
☆おもしろかった
☆ほしずなをみたことがないからよかった
キッズコース 感想(保護者の声)
★星の砂に興味津々でした
★砂を探してがんばっていた
★細かな作業で集中して楽しめた
★親子で楽しめた。
★星砂で星座作りがとても楽しそうにしていた。
★星の砂で星座を作る等、子どもが楽しんで参加できていたと思います。
★低学年にわかりやすかった。話だけでなく、工作・実験もあり良かったです。
★星砂を探したり、子どもが楽しそうでよかった。
★星の砂がみれた。宇宙のことを少し勉強できた。
★工作するのがたのしかった。
★経験したことのないことにふれあえたからよかった。
★大人が聞いても楽しい内容でした。
★希塩酸によるアワが興味深かったようです。
★星の砂さがしとローバー体験よろこんでいました。
★星座を覚えることができました。
★子どもが喜んでいたので良かったです。
 普段きけない話を聞かせる事が出来た。
 子どもがいろいろな事に興味を持つきっかけになると思うのでよい機会だった。
★星座だけでなく星砂についてとても勉強になりました。
★宇宙について色々知って子供は興味津々でした。
★星の砂を砂の中から探して絵を描くのが楽しそうだった。
 宇宙の面白さに少し触れる事ができ、私自身もすごく興味深く楽しめました。 
 
キッズコース これからのコズミックでやってみたいこと(こどもたちの声)
☆貝はどんなのがあるのかしりたい。
☆ロボットづくり
☆またせいざをつくりたいです。
☆でんちについてのじっけん
キッズコース これからのコズミックに求めるもの(保護者の声)
★体験型のイベント
★プラネタリウム作り
★また数回お願いします
★毎週の科学教室
★宇宙空間について知りたい。
★定期的に子供と一緒に参加できるイベントをしてほしい
★体験できるものが楽しめて良いです。
★実験や製作、星空観測など
★いん石の話が聞きたいと話していました。
★惑星の話などききたいです。
★親子で体験できるいい機会だったので、これからも続けてほしいです。
★子供達が宇宙に行ってみたい!! 研究してみたいと思う内容が良い
★小学低学年の子には少し内容がむずかしいかなと思いました。
★子供がローバーにとっても興味を示したので、もっと詳しく聞きたかったみたいです。実験ももっとたくさんしてみたいです。

ファンダメンタルコース 感想(こどもたちの声)
☆みんなと話して、相談してたくさんの事がわかった。
☆宇宙に行く時はたいへんとかいろいろなことが分かった。
☆会話ができて楽しかった。
☆創造力がはたらくし、面白い、楽しかった。
☆いろいろなことが考えられて楽しかった。
☆新しく友達ができ自由な発想ができた。
☆独特な方法で楽しく学ぶことができた。
☆宇宙でいろいろのこと学べて楽しかった。
☆説明がとても分かりやすく宇宙のことが分かったからとてもよかった。
☆もともと理科が好きだからおもしろかった

ファンダメンタルコース これからのコズミックでやってみたいこと(こどもたちの声)
☆もっといろんな物を決めたりして物とかであてたりして遊びたいです。
☆ブラックナイト(昔(ロケットなどが出てきてないころ)からあったミステリー)のことを話してほしい
☆宇宙の秘密をしりたい。ブラックホールなどの。
☆実際の宇宙のことが分かる物を見てみたい。
☆どうやってビックバンが起きたのか知りたいです。
☆またこんな感じのことをしたい。
☆宇宙に動物をおくとどんな動きをするか。
☆宇宙に行くためのロケットのこと。
☆宇宙に行くために本当に必要な道具を知りたい
☆他の星で暮らすためには?

特別講演「宇宙で生きるといこと」子どもたちの感想
☆はじめはわからなかったけど、とちゅうからわかってきたから、それは大学に行ってからやるのかなと思いました
☆スゴクおもしろかったです☆
☆宇宙の知らないことがいままでのコズミックカレッジで一番知ることができ、いいきかいになりました。
 おもしろかったです!!
☆すごくおもしろかったです。むずかしかったです。
 けれど調べればもっと調べたくなる質問でした。
 答えがないという質問だといろいろな発想ができました。
 ぼくも天文にきょうみがあるので、京都大学で調べたいです。
☆宇宙に行ってみたいから、宇宙をもっとしらべたいです。
☆おはなしがむずかしくて、べんきょうになりました。すごくたのしかったです。
☆星をみるのがすきだからきて、言っていることがわかりました。
 これからもこうゆう火星のをひらいてください。
☆ゆうやけのいろがちがうとしりませんでした。
☆ネズミの体の細ぼうをいじって人間の耳をつけるというのがとてもおどろきました。
☆きょうは外国の人が火星に行こうといっているのがすごくびっくりしました。
☆ぼくはとてもむずかしかったけど、分かりやすく言われてよく分かりました。
 またぼくもあんな事が分かったり、発明したりしてみたいと思いました。

特別講演「宇宙で生きるといこと」一般の方の感想
★普段あまりふれる事のない宇宙について、少ししれてよかったです。
★子供達にいろんな夢をもって生きてもらいたいと思いました。とても興味深い話でした。
★おもしろい話をありがとうございました。
 ほかのテーマの話も聞いてみたいです。
★木になって宇宙旅行をするのもいいかも、とは思いませんが、将来そういう進化をする可能性はあるのかも。
★子供が宇宙に興味がもてて良かったです。
★家庭での会話でいろいろ宇宙、星について話したいと思います。
★ファンダメンタルコースで箱舟の勉強をした後だったので、すごくおもしろかったです。
 火星に人間が住んだら火星の環境を変えてしまう…と思ったけど、そもそも地球も変わってるんだと気付かされました。
★大変良いテーマでした。家でも考え続けたいです。
★いろんなことを考えさせられました。すばらしい時間をありがとうございます。
★大変おもしろい講義でした。
★科学の進歩に人間(らしさ)がついていけなくなる日は近い、
 というか、すでにそうなっているのだと考えさせられました。
★大変興味がありました。
★知らなかったことが知れてよかったです!宇宙についてもっと知りたいと思いました。
★太陽のガス噴出の原因が磁力によるものであるのがすごいと思いました。
★星空を見たくなりました。
★知らないことを沢山聞けてワクワクしました。
 
主催:公益財団法人野々市市情報文化振興財団
   JAXA宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター
協力:金沢工業大学天文部

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