「コズミックカレッジ in 野々市」開催されました

2012年の最後を締めくくる野々市の宇宙イベント「コズミックカレッジ in 野々市」、12月23日(日)カメリアホール椿で開催されました。

今回は午前10時30分~12時が野々市市内小学1、2年生と保護者対象の「キッズコース」、
 午後1時~3時が野々市市内小学3年~中学3年生対象の「ファンダメンタルコース」の2コース、
どちらも定員を超えるご応募をいただき、人数を拡大しての実施となりました(ファンダメンタルコースは拡大後の定員も申込がオーバーし、今回参加できなかったみなさん、ごめんなさい)。当日、キッズはほぼ欠席者無し、ファンダは全員出席で、会場は冬の寒さを吹きとばす子どもたちの熱気に包まれていました。
 「キッズコース」開始前に粟野々市市長より挨拶。
「コズミックカレッジに参加した皆さんは、今日から科学者の一員です、これからもどんどん自分が不思議だな、と思うことを勉強していってほしいな、と思います。」
 
★キッズコース 参加者:37組75名(子ども39名・大人36名)
 
午前中のキッズコースを担当する日比野先生の自己紹介からスタート。サポートは金沢工業大学天文部のみなさんです。
 
「実は小さいときに皆さんと同じくコズミックカレッジを受講しました。」
 
ロケットの写真から鹿児島県の「種子島」を紹介、そして最初の授業は「種子島の砂のひみつをさがそう!!」です。
参加した親子に砂の入った瓶、黒い紙、つまようじが渡されました。
 
「ただの砂? どんなひみつがあるの? 砂をひと粒ひと粒観察して、お父さん、お母さんといっしょに、自分なりに砂を分けてみましょう」
「小さいの、大きいの、長いので分けてみました」
「貝殻みたいなのを見つけた」
「ピンクの石を見つけました」
たくさんの子どもたちが手を挙げて、自分の「発見」を発表してくれました。
「★(ほしのすな)をみつけました」
実はこれ、有孔虫(ゆうこうちゅう)の死がいなのだそうです。
いろいろな形の砂は、生き物がそこにいた証(あかし)だったり、岩や石が流れ着いて小さくなったものだったり、いろいろなことを教えてくれます。
「今回使った教材で、お気に入りの砂を見つけて、集めて、星座の形に貼りつけて飾ることもできますよ。家に帰ったらぜひ挑戦してみてください」
「帰還した「はやぶさ」が「イトカワ」から持ち帰った1,500個の微粒子(とても細かい粒)、この研究は、実はさっき皆さんがやってみた「砂の振り分け」と同じ事をやるんですよ。」
 
小惑星の次は火星の話題。
NASAの火星探査機「キュリオシティ」は、パラシュートとロケットを使って、丁寧に火星に着地させました。地球外の惑星で活動する機械は故障しても修理できないため、「壊れないこと」が何より重要になります。
  
「壊れないしくみの乗り物」を画用紙とビニール袋だけで作ってみよう、というのが2番目の課題です。
作り方は簡単、ビニール袋の口を縛り、袋の真ん中に穴をあけます。
次に画用紙をビニール袋の上(穴の開いたほうを下にして)に貼りつけて完成!
これをポンポンたたくとビニールに空気が入って「空気のざぶとん」みたいなのができました。
みんなで「操縦」の練習もしました。
実はこの「機械」ホバークラフトといって、本体下から地面に向かって空気を出すことで、抵抗の少ない状態で前に進むことができます。(現在でも水上/陸上両方を走れる乗り物として実用化されています)
今回の工作を通じで、目に見えない「空気」や「摩擦」などといった科学の種を子どもたちに触れてもらうことができたのではと思います。
 
最後にJAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育センター 馬渕先生からコズミックカレッジ受講生に渡されるの「まなびの証」の紹介がありました。
「証」を手にした人は「日本宇宙少年団」のホームページに登録することで、宇宙に関する各種最新情報をゲットすることができ、また登録された証の番号によりプレゼントなども当たるのだそうです。
 


★ファンダメンタルコース 参加者:41名
 

山本先生(左) 平田先生(右)

午後からは「ファンダメンタルコース」です。
先ず馬渕先生よりJAXA(宇宙航空研究開発機構)について簡単な紹介がありました。
「日本でロケットを打ち上げたり、宇宙飛行士を養成したり、宇宙に関することをいろいろやっている組織」なのだそうです。
続いて、真空実験担当の平田先生 傘袋ロケット担当の山本先生、及び授業をサポートする宇宙教育リーダー(SEL)の紹介がありました。
 
平田先生の授業のスタートは、参加者みんなへの質問から。
「宇宙ってどんなところ?」
「重力が無い」
「酸素(空気)が無い」
「空の上」
「音が通らない」
さっそく答えが元気よく返ってきました。

「空気が無い世界ってどんなところだろう?」
はじめに「空気がある世界」を実感する実験です。
ふだん私たち意識することが無い「空気」も、ゴム製の板を床や、机に貼りつけて、垂直に持ち上げようとすると、「重い!」
ほとんどの人が持ち上げられません。実はこれが「空気の重さ(1平方センチメートルあたり1kg)」なんです。

そして透明な容器と空気を吸い出す注射器のような道具を使って、小さな「宇宙」をつくる実験です。
容器の中に小さな風船を入れて、容器の空気を減らしてゆくと・・・どんどん風船が膨らみます。
 
これは風船を押さえつけている「空気」が無くなっていったので、その分風船の中の空気が膨らむのです。
同じ実験を「マシュマロ」でもやってみました。
すると同じように、空気を抜くと「マシュマロ」は大きくなり、空気を入れると逆に縮んでしまいました。
「宇宙はお得!」と言った子も(笑)。
さらに大きな(バケツサイズの)「宇宙」も再現してみました。
密閉容器内に、水を入れ、空気を抜いていくと・・・沸騰しました!
空気の少ないところ(高い山などでも)では、低い温度でも水が蒸発してしまうのです。
 
続いて回転式の「プロペラ飛行機」と「ロケット(空気を噴き出す)」を中に入れてみると・・・。
プロペラが勢いよく回っても、飛行機は空気が無いと前に進めないのに対し、ロケットは空気があっても無くても飛べることが判りました。
 
ここで山本先生にバトンタッチ! 宇宙に行くための「ロケット」を工作でつくる授業です。
材料は「かさ袋(細長いビニール袋)」と段ボール紙です。
  
最初はビニール袋に空気を入れただけで飛ばしてみると・・・なかなかまっすぐ飛びません。
そうして羽根を付けたり、先端をテープで巻いて「おもり」にしたり、いろいろ工夫を凝らすと・・・
上手に的に当てられるようになりました!
そう、羽根はまっすぐ飛ばす働き、おもりはロケットのバランスを取る働きがあることが判りました。

締めくくりに平田先生からまとめのお話、
「傘袋ロケットみたいに、身近なものから「ロケット」や「宇宙」を考えてみてください。
 そしてみんながいる「地球」も「宇宙」なんですよ。」

最後に次回予告、平成25年1月「コズミック・カレッジ」開催が発表されました!
 
パソコンで「衛星画像解析に挑戦!」、これは今までとはちょっと視点を変えて、人工衛星が撮影した地球の写真からどんなことが判るのかを勉強します。
詳細は こちら から。次回も宇宙大好き少年少女の参加をお待ちしています!


以下に、参加者の感想の一部をご紹介します。
 
☆キッズコース(保護者回答)
★感想
・ 身近なところから、宇宙や科学について学べました。
・ 子供が考える、興味を持つ事を引き出せたかと思います。
・ 砂集めやホバークラフトなど、普段あまり触れることのないものを見ての工作を楽しそうにしていた。
・ 砂の観察が興味深かった。
・ 子供と楽しく学ぶことができました。また参加したいと思います。
・ 宇宙について考える第一歩になったと思います。
・ ホバークラフトを作ったことがよかった。自分で空気の量を調節していたりした。
・ 空気力学を利用した工作物を作成し、当該工作物を用いた遊びをさせることができ、学び+遊びを両立させられたことが良い。
★これからのコズミックカレッジに求めるもの
・ ロケットのような飛ばす工作をしたい。
・ 3年生になったらもうワンランク上の実験や研究?!をさせたい。実験・研究の仕方を教えたい。
・ JAXAへ行くツアーがあれば行ってみたい。
・ これからも宇宙や科学に興味を持てるような楽しい企画をお願いします。
・ 回数を増やしてほしいです。よろしくお願いします。
・ 定期的な開催をしていただきたいです。
・ 実体験を増やし、科学に興味をもたせてほしい。
・ ロケットエンジンの構造等
 
☆ファンダメンタルコース(こども回答)
★感想
・ いろいろな実験や、工作があって集中することができてよかった。
・ かさ袋ロケットも作れたし、宇宙のことが学べたからよかったです。
・ 工作が楽しく、真空の体験もおもしろかった。
・ サランラップが破裂したり、かさぶくろロケットがうまく飛んだからおもしろかった。
・ 実験が実際にやれて楽しかった。
・ 話を聞くだけでなく、実験もあって、おもしろかった。
・ 真空状態での場合のことに今まで?(ハテナ)だったけど、今日のコズミックの説明でよくわかった。
・ 一つ一つ分かりやすく教えてくれて、なおかつ実験などをして確かめたりしたからよかった。
★これからのコズミックカレッジに求めるもの
・ 4年生になったらできるコズミックカレッジin野々市に行きたいです。
・ いろいろな星のことについてのことを知りたい
・ 宇宙についてもっと深いところまで探ってみたい。
・ 衛星から見た地球のことがやりたいです。
・ 銀河のなぞを知りたい。宇宙飛行士になるまでのこと。
・ 銀河の勉強。ビッグバンの勉強。
・ グーグルアースを使って他の星を調べたい。
・ 自分で宇宙の空間を作ってみたいです。
・ 太陽のことを知りたいです。
・ なにをすれば宇宙飛行士になれるか?
 

■ 主 催

■ 共 催

公益財団法人 野々市市情報文化振興財団
JAXA宇宙航空研究開発機構 宇宙教育センター
野々市市

カテゴリー: カメリアの催し物 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です