宇宙や科学に関する体験を通して、こどもたちの科学的なもののみかたや考え方を深め、豊かな感性や知的好奇心を育むコズミックカレッジ。JAXA宇宙教育センターの協力のもと毎年開催しており、今年度で10年目となります。
人工知能やプログラミングの技術は急速な発展を遂げて宇宙開発の分野でも活用されていることを、体験を通して学習する今回のコズミックカレッジ。今回、教えてくれるのは金沢工業大学の福田崇之さん、サポートはカメリア・パルの会ののいちコンテンツ部会のみなさんです。
まずは、唐突ですが、紙飛行機を飛ばしてみました。着地する場所を狙ってもなかなか思うようにはいきません。。角度や飛ばす力の強さを同じようにしたつもりでも、微妙な角度や周りの環境の違いなどによって、飛び方が変わってきます。最近、NASAの探査車が火星着陸に成功したというニュースがありましたが、目の前の紙飛行機を思い通りに着地させることすらこんなに難しいのに、遠い遠い火星に着陸させるってとってもすごいこと。火星にタッチダウンする技術の基礎となるのが、今回みんなが体験するプログラミングなどの科学技術なんです。
目標の場所に着地させるためには、高度な計算をして様々なシミュレーションをコンピュータ上で行っており、プログラミングの技術が用いられています。身近なところで例えると、最近は新型コロナウィルスの飛沫拡散に関するシミュレーションもよく目にしますね。
この日、プログラムを組むために用いたのは、シングルボードコンピュータのIchigojam(イチゴジャム)。Ichigojamとキーボードやモニターを接続して、コンピュータがわかる命令を入力していきます。まずはLEDをつけたり消したりするプログラムを組んで実行。次に、サーボモーターを動かしてみます。Ichigojamの基盤にモーターを接続し、いろいろな角度を設定して自分の思う通りにモーターを制御しました。
さて、次は人工知能。一見すると判別が難しい、「から揚げ」と「トイプードル」の画像を人工知能に判別させてみます。画像の選定や枚数が解析の精度に影響することを学び、人工知能が適正に判断するためには、学習させるデータの量や質が重要であることを教わりました。その後、「食材」をテーマに、人工知能に学習させるための画像をweb上から選定しました。更に、JAXA提供の動画教材を用いて、国際宇宙ステーションの役割や宇宙での物資の補給の仕方について動画で学習。
プログラミングや人工知能、宇宙空間での活動について学んだところで、「カメリア宇宙ステーション」の隊員から緊急の通信が入りました!カメリア宇宙ステーションは現在、宇宙空間にいますが、トラブルが発生し、なんと、食料がなくなってしまったそうです!それは大変!!コズミックカレッジに参加しているみなさんに、至急、食料を補給してほしいという指令がありました。
そこで、前半に習ったプログラミングの技術を活かして、ハッチを開ける合図を送る(LEDを光らせる)、補給機のアームの角度を調整しながら様々な食料をカメリア国際宇宙ステーションに届ける(サーボモーターを動かす)ミッションに挑戦!応用編として、みんなが集めた食材の画像を自動で判別する人工知能とプログラミングの合わせ技で、画像認識でカメリア宇宙ステーションに食料を届けられることも確認。
全員が食料を届け終わると、隊員からお礼のメッセージが届きました。
「みなさん、たくさんの食料を届けてくれてどうもありがとう!おかげでお腹がいっぱいになり、これからも宇宙の旅を続けられます。コズミックカレッジに参加してくれたみんなには、これからも、プログラミングや人工知能のおもしろさに触れていってもらえると嬉しいな!わしらも宇宙の謎を解明するためにがんばるので、みんなもいろんなことに挑戦していってください!お互いに、がんばろう!じゃあね!」
最後に、講師の先生より、
「人工知能やプログラミングは私たちの生活に欠かせない技術となっており、誰でも使える時代になってきています。宇宙の謎を解くためにも使われている技術ですが、宇宙空間はこれからどんどん身近になってくると思いますので、みなさんも人工知能やプログラミングを含めた科学技術にこれからも触れて、関心を持って行ってほしいなと思います。」
というお話で締めくくられました。
なにかトラブルがあったときに、今日のみんなのように、人工知能やプログラミングで制御して解決できることが世の中にはたくさんあります。技術の力で課題を解決したり、全く新しいのを生み出したりすることもできます。これからもみなさんには、科学技術のおもしろさに触れ、宇宙への興味を持ち続けていってもらえると嬉しく思います☆
【参加者の感想(一部抜粋)】
・先生がおもしろくてやさしいし、おしえてくれたまわりの人たちもとてもやさしかったです。そして参加者の5人ともなかよくなれてよかったです。
・人工知能とか、プログラミングとか、色々分かってよかった。
・少しむずかしかったけどたのしかった
・宇宙についていろんなことをしれた。
・また今回のようなプログラミングをしたいです。もっとむずかしいこともやってみたいと思いました。
・プログラミングとか人工知能とかが色々分かって良かったです。また同じようなイベントがあったら参加したいです。
・みんなと楽しくべんきょうできたのでよかったです。またやってみたいと思いました。宇宙に興味をもてました。
・プログラミングをしてとても身近にあるものだと分かりました。とても楽しかったし、学べてよかったです。
・プログラミングができてよかったです。ぷろぐらむをまずかんがえたけどしっかり直せたのでよかったです。
・今日、とても楽しかったです。自分の思ったとおりに動いたときがうれしかったです。また、コズミックカレッジに参加したいです!今日は本当にありがとうございました。