夏の終わりの朗読会「銀河鉄道の夜」開催されました

8月31日(金)カメリアホール椿にて、夏の終わりの朗読会「銀河鉄道の夜」が開催され、70名の方々にお越しいただきました。昨年の「風の盆恋歌」に続き、今年も元NHKアナウンサーであり軽井沢朗読館館長の青木裕子さんによる朗読です。
 
宮沢賢治の原作は105ページ(やのまん社版)もある中編小説、通常はダイジェスト版を朗読するそうですが、前回の朗読会が大変好評だったこともあり、「ぜひ全篇で」と青木さんにお願いし、今回の全篇朗読が実現しました。
 
  
会場は作品世界に合わせ、かなり薄暗く調光されています。/足元にはLED電球によるイルミネーション
 
18時45分、朗読会開始。青木さんから「長いので大変なんです(笑)、リラックスして聞いてくださいね」とのお言葉。
 
物語の序盤では学校から活版所、ジョバンニの家、街角、牛乳屋・・・と次々に舞台が移り変わっていきます。
青木さんの語りは、それぞれの場面の匂い(教室のニスの匂い、印刷インクの匂いなど)まで想像させてくれるので、聞く人々はあたかもジョバンニ(主人公)について歩くかのように、宮沢ワールドに引き込まれてゆきました。
 
  
銀河ステーションから先も、車内で、停車場で、様々な人々と出会い、別れてゆきます。
物語世界に合わせるように、青木さんの語りは、場面場面が不思議なつながりをもって流れてゆくのでした。
 

イメージが固定される映像作品と異なり、聞く人ひとりひとりが心の中に情景を描くことができる「朗読」こそ、劇中で語られる「こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道」世界にふさわしい、と感じられます。
 
21時30分 物語を語り終えた青木さんに会場から大きな拍手が送られました。
  

朗読後、
「汽車の音はNHKの有名な音響効果マンである大和定次さんが『銀河鉄道の列車の音は、実際の列車の音ではいけない』と自らの呼吸音などで作り上げたものです。
そして『この音を持ってどこへでも、朗読を続けてゆくといいよ』とその音を私にくださいました。
その大和さんも去年亡くなられました。私は大和さんの呼吸とともに、皆さんの前でお話している気がします。」
という素敵なエピソードを披露してくださいました。
  
また会場外では青木さんの、がん患者さんとそのご家族に向けた、初めての朗読CD「あなたには、明日、生きる意味がある」が販売されており、ファンの方が買い求めていました。
 
青木さん、素敵な朗読をありがとうございました。
会場にお越しいただいたお客さま、長時間のお付き合い、ほんとうにありがとうございました。
 
 
お客さまアンケートの一部を下記に紹介します。
 
・とても美しい聴きやすい声で、長編の物語でしたが、最後まで楽しめました。また来てみたいと思いました。週末で疲れていましたが、宮沢賢治の世界に引き込まれました。ありがとうございました。
・語ることのすごさを、昨年に続き知りました。昔のラジオみたいで、入ってしまいます。
・青木さんの朗読はとてもよかった。うっとりと心地良い。ただ椅子が残念! 座り心地が悪くてつらかった。
・朗読を聞きながら情景が浮かんできてうっとりしました。
・長い朗読、感心しました。人に読んでいただくことも新鮮で、楽しく過ごせました。
・雰囲気まで作りこまれていて、非日常のような空気が気持ちよかったです。ありがとうございます。
・とてもすばらしくてびっくりしました。でもお尻が痛い(笑) 座布団もってくれば良かったなぁ。
高校生のころ、何のことかよくわからなかったのでザセツしたのを懐かしく思い出しました。大人向けのすばらしいエンターテイメントでした。
・とても素敵なひとときを過ごせました。ありがとうございました。
・大変楽しく聞きました。
・朗読会への参加が初めてだったので興味津々だったのですが、音響効果もあって驚きました。また、元NHKアナウンサーという<本物>に最初の朗読を経験させていただき幸運でした。
・花巻に旅行した折に、温泉のみで会館に行けず残念でしたが、今日の朗読会で当時が思い出すことができ、嬉しかったです。久しぶりに楽しいひとときを過ごしました。
前・後半に分けての朗読でしたが、長時間変わらぬ長子で進み、プロのすごさに驚きました。
・「銀河鉄道の夜」、初めて聞かせていただきました。登場人物の七色の声音がすばらしかったです。また、汽車の音をはじめ、音響も素晴らしかったです。
・いつも途中で読むのを止めてしまったので、今日は最後まで聞かせていただき、ありがとうございました。
・汽車の音がリアルで、効果音としていいなーと思った。後で、それが息で出している音だと聞いてびっくりした。
・素晴らしい朗読に心を奪われて聴きほれました。目に情景が浮かぶようでした。
・光の道しるべも良かった。心洗われる想いでした。
・大変素晴らしいと思いました。今後も続けてほしいと思います。
・ゆとりの時間をありがとうございました。
・感激の一言!
・ミーハーです。かつてテレビで拝見した方に直接お会いできるのが嬉しいです。素敵な声、朗読で引き込まれました。初めてで身体がかたくなりました。

■ 主催 公益財団法人 野々市市情報文化振興財団   
■ 協力 財団法人 白山麓僻村塾

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