「宇宙に夢中!宇宙学校・ののいち」 開催されました

12月15日(土)カメリアホール椿にて「宇宙学校・ののいち」が開催され、200名を越える親子連れ等で会場はいっぱいになりました。
  
会に先立って、粟野々市市長からの挨拶です。
  
一昨日(12月13日)ふたご座流星群を観察したお話や、「宇宙の果て」への好奇心を持ちづづけている、というお話をされました。
「今日の宇宙学校が皆さんにとって、大きく大きく、夢が拡がり、そして宇宙への関心が深まってくれると、とうれしいなと思います」

続いて宇宙学校校長 宇宙科学研究所阪本成一教授からの挨拶、本日の進行、宇宙科学研究所の役割についてのお話がありました。
もっとも大切な役割は「最先端の宇宙技術を開発する」こと。
まだ誰もやっていない技術へのチャレンジ、その例として、垂直離着陸するロケットの画像が紹介されました。
そして「宇宙学校」はただの講演会ではない、参加者の皆さんの質問が主役です、と強調、挙手の練習で会場のテンションも上がります。


1時限目「赤外線天文衛星で狙う太陽系外惑星」 塩谷圭吾先生。
「太陽系外惑星」とは、私たちの太陽系以外の惑星のこと。夜空の星星はひとつひとつがすべて(火星、金星などの太陽系の惑星以外)自ら光を放つ「恒星」ですが、それらの星にも、その周りを公転する「惑星」があるだろう、という推測をもとに、「赤外線天文衛星」を打ち上げて、探してみよう、という試みです。
しかしつい最近まで実際にその存在を確かめることはできませんでした、なぜなら「恒星」と「惑星」の明るさには100億倍もの差があり、遠く離れた地球から見ることができなかったのです。
その存在がはじめて実証されたのは1995年、たった17年前です!
当初は間接的な証拠からその存在を証明するだけでしたが、現在は惑星そのものを直接観測する方法が開発されており、主星にフィルターを掛けて惑星を観測することが可能になりました。
塩谷さんはこの研究の第一人者であり、世界で初めて「系外惑星の写真」を撮ることを目的としていたそうです。(残念ながら2008年、カナダの研究者に先を越されたそうですが)
そして新天文衛星「スピカ」を打ち上げ、その惑星の組成などより詳しい情報を得ようとしている、とここまでが講義です。
  
そして1時限目の質問タイム!

Q.「赤外線を使った機械はあるんですか」
A.「赤外線望遠鏡からリモコンまで、あなたの周りにもたくさんあります」

Q.「系外惑星はどのくらい見つかると予想されているんですか」
A.「候補は1千億以上といわれています」

Q.「観測衛星スピカがもし壊れたら、宇宙ゴミになるんですか」
A.「スピカは巨大なので、宇宙粗大ゴミになります、そうならないよう、長く使えるいいものを作ります」

Q.「赤外線ってなんですか」
A.「電磁波の一種で光よりもちょっと波長の長い「波」、です」

Q.「宇宙へ行くには何をすればいいんですか」
A.「勉強して、自分を磨いて宇宙飛行士を目指す、あるいはお金をうんと貯めて、30億円払えば、誰でもいけます」

Q.「大きな望遠鏡はどうやって宇宙へ持って行くんですか」
A.「大きなロケットで打ち上げます」

Q「ブラックホールはどうやって観測するのですか」
A.「そのものは見えないのでホールに落ちる天体を観測してその存在を推測しています」

Q.「赤外線望遠鏡はどのくらいの遠さまで見えるんですか」
A.「宇宙の果て(100億光年)まで、つまり宇宙で最初にできた星を見ることができます」

Q.「スピカに積むもので、観測機械以外では何かあるんですか」
A.「太陽電池パネル、地球との通信機器、望遠鏡を冷やす冷凍機などがあります」

Q.「ダークマターってなんですか」
A.「宇宙には何か見えないけれど質量をもったものがある、と推測されていて、それを「ダークマター(暗いもの)」と呼んでいます。
 しかしその正体はまだ人類にはわかっていません」

などなど、たくさんの質問が飛び出し、阪本先生、塩谷先生がそのひとつひとつに丁寧に答えました。
  
  


2時限目「小惑星探査機「はやぶさ」が目指したもの」 清水幸夫先生
はやぶさで有名になった「イオンエンジン」「プラズマエンジン」の開発者(エンジニア)です。
先ず「はやぶさ」の構造の解説、そして打ち上げ時の動画をオンボード(ロケット搭載カメラ)映像つきで紹介。衛星軌道に到達したロケットからはやぶさが旅立つシーンは感動モノです。
そして「はやぶさ」の本当の目的とは?というお話。
「工学試験衛星」の基本的システムの構築、そして4つの新技術(イオンエンジン、地球からのコントロールなしに自立飛行する探査機開発など)の獲得が目的であり、そのターゲットとして「イトカワ」が折り返し地点として選ばれた、ということなのだそうです。
そしてイトカワから持ち帰った微粒子(約1,500個)の話、現在計画中の「はやぶさ2」についてのお話(その日もクリーンルームで試験を行っている はやぶさ2 の詳しい様子など)がありました。

そして、2時限目最初の質問は

Q.「はやぶさには地球に落ちてくる衛星を調査するという影の任務があると聞きました」
A.「残念ながらそのような任務はありませんでした。皆さんが知らない計画はたくさんありますが、「秘密」の計画はありません」

Q.「どうしてはやぶさという名前がついたんですか。」
A.「宇宙科学研究所内で名前を募り、決定しました。(ちなみに清水先生はアニメ「宇宙戦艦ヤマト」のファンだったので「ヤマト」で応募したそうです)」

Q.「イオンエンジンを宇宙エレベーターに使うと聞いたんですが」
A.「イオンエンジンは燃費が良いかわり、力が弱いという特徴があるので宇宙エレベーターの動力としては使えないと思いますが、もしかしたら宇宙空間での姿勢制御などには使われるかもしれません」

Q.「はやぶさにトラブルはありましたか」
A.「たくさんありました、最初の故障はジャイロ(はずみ車)が止まって姿勢制御ができなくなり、その時はガスジェットで克服しました」

Q.「はやぶさとはやぶさ2は何が違うんですか」
A.「先ず目的地が違います、イトカワは岩の塊ですが、次の目的地になる小惑星は有機物があったり、水分があると考えられています」

Q.「はやぶさは7年掛かって帰ってきましたが、はやぶさ2は何年で帰ってきますか」
A.「6年です(2014-2020年)」

Q.「はやぶさの表面の金色の部分がシワシワなのはなんでですか」
A.「ここに現物があります。しわしわなのは熱と放射線に強くて柔らかいプラスチックにアルミニウムを吹きつけているからです」

一時限目同様、この他にもたくさんの質問が寄せられ、時間いっぱいまで(ややオーバーしながらも)阪本先生と清水先生が答えてゆきました。
  
  
200名の前で勇気を出して挙手して、疑問を専門家にぶつけて、その疑問にとっても丁寧に答えていただいて・・・という経験は、きっと参加した子どもたちにとって大きな刺激になっていることでしょう。


二時限目終了後、今日集まった生徒さんに各先生から一言いただきました。

まず清水先生から
「自分が将来何をしたいのか、をしっかり決めて自分の進路を考えてください。そうすれば今何をしなければならないかが、判るはずです」

塩谷先生
「まだ誰も知らない新しいこと、面白いことを生みだすのが「研究者」の仕事です。
 研究者として何かを生み出すためには、理科(物理、化学)、と算数(数学)の勉強をがんばってください」

最後に阪本先生より、
どんなことでも、集中を続けられることは大切、財産になります。子どもさんがなにかに夢中になっているときは、親御さんはどうぞ見守ってあげてください。
そして、「はやぶさ」の成功が教えてくれるもの、それは「挑戦をしないと、大きな成功は決してありえない、たとえ失敗しても、なにかかけがえのないものが残る」ということです。
という言葉で宇宙学校を締めくくられました。

終了後も、3人の先生の前には子どもたち、そして大人の方も大勢残って、授業中に聞けなかった質問をし、先生方も授業中と同様、真摯に答える姿が印象的でした。
  
今回の宇宙学校は、やや専門的な内容を含んでいたため、低学年の参加者にはやや難しかったかもしれませんが、21世紀最先端の科学者たちの挑戦しつづける姿と熱意は必ずや伝わっていることでしょう。
そして、今日の参加者の中から、明日の世界を担う宇宙科学者たちが誕生するその日を心待ちにしたいと思います。


ご参加いただいたみなさま、遠方からお越しいただいたJAXA講師陣のみなさま、本当にありがとうございました。以下に、参加者の感想の一部をご紹介します。
 
【子どもの感想】
☆イトカワの微粒子は今後何に使うのですか。
☆いろんなことがわかったのでよかったです。宇宙のことをもっと知りたくなりました。
☆宇宙科学についての知識がたくさんついた。また来年もやってほしい。
☆学校で知らない事が、ここではすごく分かったので良かったです。知れたことが沢山あった。
☆今回の話を聞いて、宇宙のことが分かりました。もっと宇宙のことを知りたいと思いました。今日はありがとうございました。
☆質問の時間が長く、説明が分かりやすかったので、よく分かりました。
☆すごくおもしろかった。もう少し時間が長かったらよかった。
☆たのしく宇宙のことが分かったので来年もやってほしいと思います。
☆初めて知ったことがたくさんあったのでいろいろ学べた。こまかいところまでよくわかった。宇宙のことをもっと勉強する気になった。おもしろい。
☆はやぶさの金のかみがさわれてうれしかったです。
☆はやぶさの話がおもしろかったです。阪本先生にまた来てもらいたいです。
☆むずかしかったけど、少し分かる部分があったのでよかったです。
 
【保護者の感想】
★いろんなことを知ることができて楽しかったです。家庭でも宇宙のことについて話してみようかと思います。
★宇宙科学者の宇宙に対する♡愛♡が感じられた。わかっている人がわかっていない人に説明する時の言葉遣いや、ユーモア溢れるお話に引き込まれた。2年前、はやぶさのニュースが取り上げられ、満身創痍の姿に帰れるか心配したけれど、今日の話を聞いて、科学者の皆さんの思いが詰まって心で帰したような気がしました。
★宇宙飛行士が何かと話題になっていますが、今日参加して本当は研究者が宇宙に行った方が、もっと結果の残る成果が出せるのでは…と。それぞれ目的が違うのかもしれませんが…。こういう機会があることで次世代の研究者が育っていってくれることを望みます。とてもわかりやすく楽しい講義をありがとうございます。
★技術者の方の生のお話が聞けてよかったです。質問の時間がタップリとってあり、子供達が色々な素朴な疑問をぶつけることが出来、また丁寧に答えてもらえ、とてもよかったと思います。メモをとる為のテーブルがあれば嬉しかったです。貴重なお話をありがとうございました。
★講師の方の話はとてもわかりやすく、子どもたちの質問に対する返答もおもしろかった。最近の小学生は天体のことに非常に詳しく、質問のレベルが高くて驚いた。またこのような機会があったらぜひ参加したい。
★子どもたちのキラキラした目を見られてよかったです。写真や映像が初めて見るものが多く、楽しかったです。
★子供のつきそいで来ましたが、私の方がとても楽しく聞いていました。もっともっと子供にも宇宙に興味を持ってもらえたらいいなと思いました。
★このような学校を継続されていることがとてもすばらしいと思います。子どもたちの育成につながっていると思います。子どもたちがかなり高度な知識も持っていてすばらしい。阪本先生は一般的なニュースもよくご存知で、上手に専門知識と交えてお話しいただけ、親しみを覚えました。
★質問の時間を長く取っているのが良かった。子供の発想に驚かされることもあって非常に楽しめた。
★小3子供と来ましたが、小3はまだ理科でも星など学んでいなくて、プラネタリウムに行ったり本を見たりするぐらいなので、やはり少し内容が難しかったようです。でもJAXAの方々のすばらしいお話にふれられて、わからないなりにも耳をすませていたのが印象的でした。素晴らしい企画を、ありがとうございました。
★小学校の質問が専門的で高度なことにびっくしりました。先生方がどんな質問にも上手にうけとめてわかりやすく答えてくださっている姿が、素晴らしいと思いました。
★挑戦する心=大きな成功 トライ!がすばらしいと思いました。今日話が聞けた事もチャンスだったと感謝しています。楽しかったです。
★とてもわかりやすく、興味深い授業で、面白かったです! いろんなイミで「本物だ!!」と思いました。そして最後の御三方からのメッセージが、とても深く心に残りました。人生にあきらめがちな今日この頃でしたが、なにかに挑戦してみたくなりました。
★非常に興味深いお話を聞くことができ、とてもすばらしい時間でした。日本の宇宙開発の高度な技術に感動しました。
★両方の講義ともとても楽しく拝聴しました。子どもたちの活発な質問にも感動です。子どもたちへのメッセージと、そしてこんなにすばらしい企画を主催されたことに感謝申し上げます。

■ 主 催

■ 共 催

JAXA宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所
公益財団法人 野々市市情報文化振興財団
野々市市

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